簡単で応用が利く「待ち撮り」

撮影方法のなかでも基本となるなのが、フィルマーがその場を動かずにカメラを構えてライダーが滑ってくるところを撮影する「待ち撮り」です。ワンメイクやジブの撮影から、フリーラン・グラトリ・パウダーまでこの方法のみでも十分ムービーが作成できるほど応用がききます。しかしながら良い絵として撮影するためには、いくつかポイントがありますので、解説していきたいと思います。

キッカー・レールなどアイテムを使ったトリックの場合

キッカーやレールなどでのトリックを撮影する場合、同じトリックでもカメラアングル...つまりキッカー・レールといった、トリックアイテムに対してのフィルマーの位置で映像の雰囲気が変わります。それぞれのカメラアングルには次のような特徴があります。

  1. アイテムの後ろ
    アイテムに対して真後ろで撮影するアングルです。スタート位置から撮影する場合、正確にはライダーを待っている形ではないので「待ち取り」という名前で呼ぶのもどうかと思いますが、トリックを待つという意味で待ち撮りに入れて解説したいと思います。このアングルはトリックの入りが強調される特徴があります。キッカーの設置場所によっては麓に向かって飛んでいくような映像が撮れますし、着地が見えないのでランディングに失敗しても安心です(笑)。しかしレール・BOX等では抜けがみづらいという点であまり良いアングルといえません。また遠くから撮影する場合は、ズームの使用による手ぶれに気をつけましょう。


  2. アイテムの斜め後ろ
    アイテムの斜め後で撮影するカメラアングルで、近距離ではライダーが横切ってアイテムに入っていく迫力ある映像を撮影できます。中距離では入りを強調したトリック全体の映像を撮影できます。トリックの最後の方が映りづらいですが、割と無難なカメラアングルです。


  3. アイテムの横
    アイテムの横で撮影するカメラアングルです。トリック全体をバランスよく撮影できます。近距離ではライダーを一定のスピードで追うためカメラの振りが大きくなり、滑らかな良い絵を撮るには練習が必要ですが、非常に迫力のある映像を撮影することが出来ます。距離が離れるにつれてカメラの操作はラクになりますが、平面的な絵になりやすいです。


  4. アイテムの斜め前
    このアングルでは、トリックの最後を強調した映像となります。キッカーの場合は見上げるようなアングルになりますので、高さを感じさせる映像を撮影することができます。またトリック全体をおさえつつ抜けが強調されることから、レール・BOXの撮影に特に向いているアングルといえるでしょう。ただし近づきすぎはライダーとの接触の恐れもありますので十分注意してください。


  5. アイテムの前
    アイテムの前から撮影するカメラアングルですが、ある程度距離をおかなければ危険となりますので、どうしてもズームを使用しなければならなくなります。またキッカーではいつライダーが飛び出してくるかわかりませんので、良い映像を撮るのは難しく編集でもなかなか使いどころに困るアングルです。あえて撮影するならレール・BOXで抜けをよく撮りたい時でしょうか。


  6. キッカーのリップ真下
    キッカーのリップ真下で待ち構え、ライダーが飛んでいくところを撮影するカメラアングルです。危険が伴いますので、待機位置に十分気をつけ、カメラも防水対策をしておきましょう。小さいキッカーでは固定カメラにしたほうが無難です。またライダーのスタートを合図してくれる人も必要となります。


  7. レール・BOXの下
    これもうまくすれば迫力ある映像を撮影できますが、危険が伴います。思わぬライダーの動きに対応できるよう、すぐに動ける体勢で撮影しましょう。


  8. レール・BOXの上
    アイテム上にカメラを置いたカメラアングルで、アイテムに乗った時の振動や、ライダーが迫ってくるところなど迫力ある映像を撮影できます。しかし大変危険な撮影方法なのでライダーとの接触には十分注意しましょう。長めのアイテムでの撮影が望ましいです。

フリーラン・パウダーラン・グラトリの場合

これらの撮影をする場合、キッカーやレールでの撮影と違って、ある程度ライダーも撮影に協力する必要があります。ライダー・フィルマー共に気をつけるポイントを解説したいと思います。

  1. ライダーの見せ場は?
    フィルマーの手前2m~10mの間が一番撮影しやすく、良い絵が取れるポイントです。この部分を通過するようなコースでライダーは滑りましょう。この距離を目安にグラトリを仕掛けたり、パウダーランではスプレーを巻き上げると迫力がある映像が撮影できると思います。


  2. すぐに止まらない
    ライダーがフィルマーを通過した直後や、またはグラトリを決めたあとすぐに止まってしまう場合がありますが、ある程度フィルマーより下まで滑りましょう。編集の時に見せ場の後をすぐカットしなければならなくなります。


  3. あらかじめ体をひねっておく
    撮影する時に体を山側に向けたまま撮影すると、ライダーが横を通過して下に行ったときに体を大きくひねらなければならず、フレームアウトや手ぶれの原因となります。あらかじめ真横か谷側に体を向けておいて、山側に上半身をひねって撮影を開始すれば、滑らかにライダーをカメラで追うことができます。

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